(2018.5.11 リライト)
MacでPAの人はかなり使っている人多いと思うけど改めてQlabは便利。ご存知ない方のために書けばMacOSXで動く音源再生ソフトです。もう何年も前、バージョン1の頃、初めて使った時は小難しいかと思ったけど、すぐ慣れたし慣れたらプレイリスト組むのに時間は全くかからない。
要は、曲を並べて曲と曲の間にコマンドを置いてやる。コマンドというのは再生させるとか停止させるとかフェードアウトさせるとかそういった命令のこと。命令は単独で実行されるのか、次の命令も同時にやらせるのか、終わったら自動的に次の命令が実行されるとかを設定できる。どのポイントから再生させるとか、他チャンネルのインターフェースがあればどの端子から出力させるよかとかももちろん設定できる。(無料版は機能がいくつか簡易化されてる)。
時間表示も数パターン同時に見られるしサンプラーのような見た目にもできるしフェードタイムも自由。実際の使用はスペースキーだけをひたすら押していくだけなので、目線と思考回路を余計なとこに持って行かれない。
特にリハでは別のこと(人の動きだとか音量だとか音色だとかインフィルとモニター漏れのバランスだとか…)に目も耳も頭も使いたいのに本番以上の再生停止機会を強いられたり、普通のデッキだとこっちはリハにも何にもならないただただ頭がこんがらがるような無茶なスキップ注文が一気に来ようとも、Qlabならほとんど頭使わず対応できるのがイイ。前曲のラスト10秒のトコから、曲間MCでコメントきっかけで曲スタート、Aメロまで歌ったらその曲のラスト10秒のとこまで飛ばして、の繰り返しで全曲間分お願いしますとか言われてもノーストレス。
SMPTE (LTC)タイムコードだって吐けちゃう。もしマルチトラックを叩けと言われても、僕はコレをタイムコードマスターにしちゃうと思う。AbletonLiveを直接叩こうなんて到底全く思わない。
唯一、曲の頭のスが多い時の頭出し機能だけ自動化してくれたらいいのになと思う。手動でスタートポイントを動かしてあげないといけない。当日朝に音源もらって15分とかでデータコピーついでに手動でポイント打ちをやれるのの限界はせいぜい2〜30曲くらい。頭出しだけはTASCAMとかのデッキのAutoCue機能が優れてると思う。ソフトウェアベースの再生ポン出しで知ってる範囲でそれができるのはVirtual DJ8だけ。でもPC DJだから全然使いやすくないし要らない機能(事故につながる機能)も多すぎるからダメだった。
Qlabの良いのは、1〜3は曲続きで4,5はきっかけ待ちで、6〜7曲続きで、とかが頻繁にある時の絶対的な安心感。1曲が5秒しか無いとかでも焦らなくていいし2台のデッキ駆使してどっちだっけと頭使わなくていい。
ところで再生機大手のTASCAMはAutoCue/Pauseの頻繁なオンオフは想定してない。いつもメニューの中にあるから2、3回ボタンを押す必要があり慎重に確認するのが面倒くさい。SONYは専用ボタンが物理的に外にあって頻繁なオンオフ操作を想定してるけど、もはやデッキが無い。YAMAHAの”プロ用CDプレーヤ”に至っては何かを長押ししながら電源を入れるとAUTO PAUSE機能がアクティブになりますというようなことを説明書に堂々と書いていた。電源切っても音が鳴り続ける技術の前ぶれならば許せるけども、何をどうしてそれが製品化されたのか誰か1人でも止める人はいなかったのかと。
それた話を戻すと、タイムコードが吐けるってことは、別の再生機を制御したり、プロンプターを自動で送らせたり、照明にキューを送ることだってできる。実際のところQlabは今のバージョンは照明も映像も直接動かせるコマンドがあるので同一マシンでもできるけど流石に別セクションのプロフェッショナルな仕事を1台にまとめてしまうのは問題だ。タイムコードで追わせて問題があったらフリーランで予備機に変わるとかにすれば安心。
どう見ても現場のプロ中のプロが考えて作っていると思われる、このソフト。WiFi経由でiPhoneやiPadからリモートコントロールができちゃう。Qlab4に対してはiOS9以上のデバイスが必要で、なんでもできちゃうっていう観点だけじゃなく、リモコン持つことでウッカリミスで台無しになることが無いようにまで配置が考えられている。えらい。そんなQlab Remote(iPhone/iPad向け無料アプリ)が先日現場で問題を起こした。4800円問題と呼ぼう。
Qlab Remoteをいざ現場でリモコンとして使おうとすると操作が効かない。よくみたらRead-Only modeっていうのになったまま出られない。いつか忘れたけど前は普通に使えてたのに。普通のモードにしようとしたらアプリ内購入でお金を払えと。しかも4,800円。なんか、高ない? 値段もやけど、やり方がボッタクリ的なやり口だ。ほんで、いつの間にコレ。
iPhoneとかiPadのアプリは普段気軽にアップデートしちゃうけど、やったら必ず動作確認しとかないと、このようにいきなり現場でハマることがあるから怖い。アップデートしなきゃよかったと言ったところで、いつのバージョンに戻せば良いやらもその時はわからず、結局その日は使うのをやめて、リハで客席から卓席まで再生だ停止だに走ること2回。4,800円分と思えば走るなんておやすい御用だ。
客席で音聞いてチェックしてんのに、はいOKで〜すOKで〜すとガナリで言われてストレスだったけど4800円にもならないストレスだから全然かまわない。この日はSD-8をiPadでコントロールしようとしてうまく設定できなくて諦めてたのでフェーダーも下げられないから走るしかないのだった。4800円が惜しいのではない。昨日まで使えていた(ような気がする)ものが、いきなり現場で使えないのが問題だ。4800円は惜しい。
家に帰ってきてからQlab Remoteアプリのバーションを4.1.5までダウングレードしたらReadOnlyMode(舞台袖や舞台上でモニターするためのもの)ではなく通常のリモコンモードにできた。課金なしで問題なくiPhoneがリモコンになるようになった。4800円が何かの間違いだと思う人は、Qlab4.2.3のリモコンとしてのQlab Remoteは4.1.5までにしておきましょう。バージョンを下げるというのは昔はipaファイルをバックップしとかないとできなかったのだけど今はちょっとゴニョゴニョしたらできるので。(具体的には文末に書きます)。
しかししかし、今後、Qlabが5とかになって、僕の希望するAutoCue機能が搭載されし日にはQlab Remoteもバージョンアップするしかあるまい。そしたら4,800円払うしかあるまい。リモコンに4,800円はとりすぎだと思うの。480円でいいんじゃないのリモコンだし。使い古した古いデバイスをリモコンにしたいからiOSの下限制限も止めて欲しいな。
このスクショはそんなややこしい現場のものではなく、たわいもないBGMとSEのもので、CDとかUSBとかSDで難なくできるものだけど、普段からQlab使っておくことでややこしいのにもスイスイと対応できるようにしておくのも大事だと思ってちょいちょい使っています。
iPhone/iPadアプリはAppleのサーバー内には過去のバージョンも存在はしていて、自分のApple IDで購入履歴(無料アプリなのでダウンロード履歴)があれば購入当時の物より古いバージョンのものもダウンロードできる手段がある。昔やipaファイル保存しとくしか方法が知られていなかったけど今は方法があるので、それは調べてもらって、ここに書いておくべきは、Qlab Remoteの4.1.5の”softwareVersionExternalIdentifiers”です。それは、824744814です。
Qlabは便利そうですね。WINユーザーですがこのためにMacを導入しようか悩んではいます。参考になりました。
コメントありがとうございます。
Windowsだとshow-cue-systemっていうソフトが近いのかなと思ってます。
使い勝手までは分からないのですが、上記の文字にリンク貼ってみました。